ワールド・カフェ・デザイン コミュニティとは
ワールド・カフェ・デザイン コミュニティは、あなた自身の体験から「ワールド・カフェ・デザイン」を共に学び合い、探求するコミュニティです。
ワールド・カフェ とは
World cafe(ワールド・カフェ)は、Juanita Brown(アニータ・ブラウン)氏とDavid Isaacs(デイビッド・アイザックス)氏によって、1995年に開発・提唱されました。
当時二人が、知的資本経営に関するリーダーを自宅に招いた話し合いの場において、ゲストがリラックスして話し合えるように、様々な工夫を凝らした空間をつくりました。結果、多くの知識や洞察が生まれる創造性に富んだ対話を行うことができました。
そのことに感銘を受けた二人が、その経験から主体性と創造性を高めるエッセンスを抽出してまとめたのがワールド・カフェです。
「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」という考えに基づいた話し合いの手法です。
参考:「ワールド・カフェ~カフェ的会話が未来を創る~」アニータ・ブラウン & デイビッド・アイザックス
ワールド・カフェの現在
ワールド・カフェは1995年に開発され、日本に入ってきたのは2000年代前半かと思います。
それから10年以上経ち、いまでは、企業の組織活性化、まちづくりにおける住民参加、学校教育、アイデア創発など、さまざまな目的を持った場で活用されるようになりました。
しかしながら、このような急進的な広まり憂慮する声もあります。
それは「クオリティの”玉石混淆”」が生じているという声です。
ワールド・カフェという手法はほとんど公式化が済んでおり、言ってしまえば、”どんな人でもすぐにやってみることができる”手法です。しかしながら、「問いの立て方」「コンテクストのつくり方」「ファシリテーションの仕方」「『対話』そのものについての考え方」など細かく見ていくと、まだまだ理論化は済んでおらず、良い意味でも悪い意味でも”実践する人のやり方”に依存しています。つまり、単なる”話し合いのさせ方”ぐらいの理解で使ってしまうと、狙っていたことが起きなかったり、参加者にストレスを与えてしまったりと、手法がほとんど機能せず、むしろ悪影響を与えてしまうこともありうるのです。そして、そういった場は実際に少なくないように思えます。
このように、ワールド・カフェは”簡単にできてしまう”からこその課題を抱えています。そして、”ただワールド・カフェを使うこと”と”多様な人々の参加を受容しつつ、機能的な対話を引き起こすワールド・カフェをデザインすること”は似て非なる行為なのです。
ワールド・カフェ・デザイン コミュニティでは、今一度、ワールド・カフェのデザインを細部にまでこだわって実践し、振り返り、参加者のみなさんとともに学び合い、対話の場のデザインの奥深さや複雑さに触れていきたいと思います。
運営メンバー
古瀬 正也(ふるせ まさや)
1988年埼玉育ち。東京都北区在住。
2008年、ワールド・カフェを体験し、対話に興味を持つ。2010年、全国47都道府県でワールド・カフェを開催し、延べ1200名が参加。2011年、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部卒業。2012年「古瀬ワークショップデザイン事務所」を開業。2013年、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。社会デザイン学修士(MBA)。内閣府、文部科学省、消費者庁の中央省庁や行政、民間企業、NPO等、あらゆる分野で200回以上のワールド・カフェを実施。2014年、豊島区主催「としま100人女子会」のトータル・コーディネートを務める。2016年、文部科学省発刊「男女共同参画推進のためのワールド・カフェ実践手引書」の編集・製作を行う。
近年では、南山大学の講座、Tグループ、トレーナートレーニングを経て、「体験学習のサイクル」を基にした研修等も行う。
論文:
2011年 「ワールド・カフェで起こる対話の構造」 駒澤大学GMS学部卒業論文
2013年 「ワールド・カフェ・デザインの可能性−対話による社会構築に向けて−」 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士論文。
佐々木 晃也(ささき こうや)
対話研究者。タイワビト主宰。
1989年 北海道生まれ。東京都台東区在住。
2012年 駒澤大学グルーバル・メディア・スタディーズ学部卒業。2009年より「対話」に関心を持ち、研究を始める。社会心理学、学習科学の観点から対話を探究してきて、現在は、哲学・思想としての対話について考えている。
近年は、研究と並行して、対話体験を多くの人に届けるためのワークショッププロジェクトの企画・運営やクオリティの高い対話の場の収集と紹介を行うWebメディア「タイワビト」の運営を行っている。
論文:
2012年 「対話の態度の体系化」 駒澤大学GMS学部卒業論文 学部優秀卒業論文賞受賞
2013年 「対話型ワークショップの相互作用に関する研究」 第29回日本教育工学会全国大会 ポスター発表論文
2016年 「対話型ワークショップの問いのデザイン過程に関する研究」 第32回日本教育工学会全国大会 ポスター発表論文