「出された問いから離れた瞬間が実は面白い」

これは、2010年11月に僕(古瀬)が実施したワールド・カフェ終了後に参加者の一人から言われた一言である。これを聞いた僕は、案外、納得ではあった。というのも、厳密に言うなれば、出された問いから離れなけらば出された問いには迫ってゆけない(ことがある)からである。


例えば、僕が大学院生の頃に書いた修論にはこんな図と文章で説明してあった。

例えば、「豊かさとは何か?」と 問われたら、すぐにその答えは出せない。したがって、以下の図4−4のように、「最近、 豊かさを感じた時は?」「豊かになることで良いことは?」「なぜ、豊かになりたいの?」「豊かさは必要?」「今、あなたは豊か?」などの1つの問いの周辺にある関連する問いを自ら見つけていき、それらを探求することで、1つの問いに迫っていくことが可能となる。


つまり、1つの問いを探求するためには「複数の周辺の問い」が必要不可欠である、と言いたいわけである。(ただし、この例のように抽象的で答えがない問いの場合である)


では、上の例で仮に問いが「最近、豊かさを感じた時は?」に派生したとしよう。すると、どうなるか。おそらく、様々な個人的な「豊かさ体験」が飛び出してくることは容易に想像される。ある人はお給料を得た時に豊かさを感じたかもしれないし、また、ある人は親しい友人に囲まれ過ごしている時に豊かさを感じたかもしれない。すると、私が感じた「豊かさ」を語ったわけなので、少なくとも<私>にとっての「豊かさとは何か?」の片鱗が少し垣間みられることになる。さらには、いまここで話し合っている<私たち>にとっての「豊かさ」の傾向やパターンが見えてくる。そして、気がつくと、「豊かさとは何か?」という1つの問いに最初よりも接近していることが起こるのである。


つまり、出された問いから離れるということは、離れているようで実は接近していることがある。そして、その離れる動きによって何かしらの新たな景色(見え方・考え方)が見られるからこそ、面白い!と思えるのかもしれない。


だから、あの時の「出された問いから離れた瞬間が実は面白い」は、あながち間違っていないなと思ったのでした。


2016.9.8 古瀬正也


*------------------------------------------------------------------------------*

現在、ワールド・カフェ・デザイン コミュニティは第一期生(10/8〜12/4の間、全6日程)の募集しています。(正式な申し込み開始は9月24日22:00〜)

また、募集に伴って体験会を開催します。以下の2日程で開催いたしますので、関心のある方はぜひご参加ください。

▼体験会のご案内

https://wcd-commu.themedia.jp/pages/573657/page_201607281633

▼Facebookイベントページもあります!

・体験会①(2016年9月22日)

https://www.facebook.com/events/1805543026398585/

・体験会②(2016年9月24日)

https://www.facebook.com/events/1644321502548476/

*------------------------------------------------------------------------------*


World Cafe Design Community

ワールド・カフェ・デザイン コミュニティ 第二期生募集! (2017/2/25〜5/14)

0コメント

  • 1000 / 1000